調剤薬局で働く薬剤師のブログ 解熱鎮痛薬と胃薬がセットな理由
こんにちは。Pharmacist Masterです。
新年あけましておめでとうございます。今年も調剤薬局で働く薬剤師のブログを更新してまいります。本ブログは、開始してまだ間もないですが、時事ネタ等も取り扱っていることもあり、だんだんと読者の方からの反応をいただけるようになりました。
今年も、調剤薬局で働く薬剤師として、実のある情報を発信してまいります！
前回のお薬・健康関連の記事はこちらです↓
pharmacistmaster.hatenablog.com
前回の薬剤師転職の記事はこちらです↓
pharmacistmaster.hatenablog.com
先日、調剤薬局へお越しくださる患者さんから、一つ質問を頂きました。
「ロキソニンをもらうとき、かならずこのセルベックスが一緒ですが、ロキソニンだけほしかったのですが。先生にそう伝えてくれませんか？」
いや～、おしゃることは良くわかります。
お答えとしては、「基本的に”食後に”セットで服用してください。でないと胃が痛くなってしまいます。」
今日は、その患者さんに説明した内容を、ちょっと専門的な用語を交えて記事にしたいと思います。
解熱鎮痛薬とセットで処方される胃薬の意味について
解熱鎮痛薬全般に言えることですが、基本的に食後の服用ですよね。空腹時ですと、胃が痛くなることがあります。実際の吸収率は、食前・食後であまり差があり線。
胃を守る意味での食後服用なのですが、いつも胃薬とセットなロキソニンです。その理由をロキソニンの作用メカニズムを通して考えていきたいと思います。
ロキソニンの作用メカニズム
＜ロキソニンSの添付文書引用＞
痛み・発熱・炎症は、体内で産生されるプロスタグランジンによって発生します。
ロキソプロフェンは、アラキドン酸からプロスタグランジンを生成するシクロオキシゲナーゼという酵素を阻害。プロスタグランジンの産生を抑制し、痛み・発熱・炎症の症状を抑えます。
ロキソプロフェンナトリウム水和物は上記の阻害作用にすぐれているため、高い解熱鎮痛効果を発揮します。
さて、本題に戻ります。
ロキソニンは、COX-2という酵素を強力にかつ選択的に阻害する作用があります。そのおかげて、痛みの原因物質であるプロスタグランジンが体内で発生しなくなり、痛みが解消されるというメカニズムです。COX(コックス）にはサブタイプがあり、１や２があります。そのサブタイプを見分けて選択的にCOX-2のみ（ほぼという意味です。一部はCOX-1に反応しています）阻害効果があることが、ロキソニンの優れている点です。
胃薬なしでロキソニンを服用すると・・
実は、痛みの原因物質であるプロスタグランジンですが、胃壁の材料でもあるのです。
ということは、ロキソニンを服用して胃壁の材料がなくなってしまえば、胃が痛くなるのは想像に難しくないですよね。これって、薬剤師国家試験の問題にも出題されていたような…
優れている効果を持ちあわせているロキソニンですが、一部の抗生物質との組み合わせにより、けいれんを引き起こしてしまうことが報告されています。
ニューキノロン系抗生物質
クラビット（レボフロキサシン）、タリビット（オフロキサシン）、オゼックス（トスフロキサシン）、グレースピット（シタフロキサシン）etc.
本日の記事は、こちらのお薬の使い方に関するサイトを参考にしております↓
本記事が、皆様のお役に立てれば、とてもうれしいです。
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